第 6 章

通変星(十大主星)

日干から見た関係で決まる10の星。性格を読む中心になります。

16分 全12章中 6章目

この章を読み終えると

  • 日干と相手の干から通変星を導ける
  • 10星の名前の意味を漢字から説明できる
  • 「偏」と「正」の違いを言える

いよいよ性格を読む部分に入ります。通変星(つうへんせい)は、日干から見た関係で決まる10種類の星です。「十大主星」とも呼びます。

10星は暗記しなくていい

第3章の最後で見たとおり、五行の関係は5通り、陰陽の一致は2通り。掛け合わせて10通りです。この表さえ理解すれば、その場で導けます

日干から見た関係陰陽が同じ陰陽が違うグループ
相手が自分と同じ五行比肩劫財自分をあらわす
自分が相手を生む(自分が親)食神傷官出していく力
自分が相手を剋す偏財正財手に入れる力
相手が自分を剋す偏官正官自分を律する力
相手が自分を生む(自分が子)偏印印綬受け取る力

縦の並びに注目してください。左の列(陰陽が同じ)は比肩・食神・偏財・偏官・偏印、右の列(陰陽が違う)は劫財・傷官・正財・正官・印綬。「偏」がつくものが左側にまとまっているのが分かります。

「偏」と「正」は良し悪しではない

偏=動く・流れる正=決まって入ってくるという違いです。偏財は人脈で回っていく財、正財は毎月決まって積み上がる財。どちらが優れているという話ではありません。

実際に導いてみる

日干が「戊」(土の陽)の人を例に、10個すべてを導いてみます。

相手の干五行・陰陽戊から見た関係通変星
木の陽相手が自分を剋す偏官
木の陰相手が自分を剋す正官
火の陽相手が自分を生む偏印
火の陰相手が自分を生む印綬
土の陽同じ五行比肩
土の陰同じ五行劫財
金の陽自分が生む食神
金の陰自分が生む傷官
水の陽自分が剋す偏財
水の陰自分が剋す正財
手順を言葉にすると

① 日干の五行と陰陽を確認する(戊=土の陽)→ ② 相手の干の五行と陰陽を確認する(壬=水の陽)→ ③ 五行の関係を見る(土剋水なので、自分が剋す=財)→ ④ 陰陽が同じか違うか(どちらも陽なので同じ=偏)→ ⑤ 偏財

慣れると数秒でできます。他人の鑑定書を見るときも、この手順で検算できます。

10星の名前は、漢字を訳すと意味が分かる

読み字の意味なぜその意味になるか
比肩ひけん肩を比べる自分と対等に肩を並べる存在、という意味。だから自立やマイペースをあらわします。
劫財ごうざい財を劫(おびや)かす同じ財を取り合う関係。競争にも協力にもなるので、人を巻き込む力として出ます。
食神しょくじん食を司る神衣食に困らないという意味。のびのびと楽しむ気持ちをあらわします。
傷官しょうかん官(役職)を傷つける既存の枠や肩書きに収まらない、という意味。鋭い感性や批評眼として出ます。
偏財へんざいかたよった財ここでの「偏」は悪い意味ではなく「動く・流れる」ということ。人脈や回転する財をあらわします。
正財せいざいまっすぐな財毎月の給与のように、決まって入ってくる財。堅実さや信用をあらわします。
偏官へんかんかたよった官「七殺(しちさつ)」とも呼ばれます。規格外の力、勝負に出る力です。
正官せいかんまっすぐな官正規の役職という意味。責任感や品格をあらわします。
偏印へんいんかたよった印「倒食(とうしょく)」とも呼ばれます。人と違う角度からの発想や、専門性です。
印綬いんじゅ印章をさげる組みひも官職の証を身につけること。学びや資格、引き立てをあらわします。
10星それぞれの性格と、出すぎたときの顔

比肩(ひけん)— 自立・マイペース

自分の足で立つ星。人に合わせるより、自分のリズムで進むときに力が出ます。頑固に見られがちですが、それは芯があるということ。

  • 良い出方:自分の判断で動き、まわりに流されず筋を通せる。
  • 強く出すぎると:人の意見を受け取らなくなり、孤立しやすくなる。
  • 活かし方:決めることと相談することを、あらかじめ分けておく。

劫財(ごうざい)— 社交・押しの強さ

人を巻き込む力のある星。愛想よく振る舞いながら、要所ではしっかり主張できます。仲間との共同作業で真価が出ます。

  • 良い出方:人を巻き込み、協力関係をつくれる。
  • 強く出すぎると:競争心や自己主張が先に出て、主導権の取り合いになる。
  • 活かし方:役割と裁量をはっきりさせてから動く。

食神(しょくじん)— 楽しむ・おおらか

衣食住に恵まれる、のびのびとした星。好きなことを追いかけているときがいちばん運が回ります。焦らないことが最大の武器。

  • 良い出方:好きなことを形にし、場をなごませる。
  • 強く出すぎると:楽なほうへ流れ、締め切りや詰めが甘くなる。
  • 活かし方:締めの日付だけは他人と共有しておく。

傷官(しょうかん)— 感性・鋭さ

細部に気づく感性の星。美意識や技術で評価されます。言葉がきつくなりやすいので、そこだけ意識するとぐっと生きやすくなります。

  • 良い出方:細部に気づき、質を上げられる。
  • 強く出すぎると:言葉が鋭くなり、相手の粗さが許せなくなる。
  • 活かし方:批評は仕事に向け、人に向けないと決めておく。

偏財(へんざい)— 人脈・回転

お金も人も「動かす」ことで増える星。じっと貯めるより、使って循環させるほうが縁が広がります。サービス精神が財産。

  • 良い出方:人とお金を動かし、縁を広げられる。
  • 強く出すぎると:手を広げすぎて、どれも中途半端になる。
  • 活かし方:同時に走らせる本数に上限を決める。

正財(せいざい)— 堅実・信用

こつこつ積み上げて信用を得る星。派手さより誠実さで勝ちます。家庭やパートナーとの関係が運の土台になります。

  • 良い出方:こつこつ積み上げ、信用を得られる。
  • 強く出すぎると:守りに入りすぎて、機会を逃す。
  • 活かし方:小さく試す枠を、あらかじめ予算に入れておく。

偏官(へんかん)— 行動・度胸

勝負どころで動ける星。プレッシャーがかかるほど強くなります。ただし無理を溜め込みやすいので、休む勇気もセットで。

  • 良い出方:勝負どころで踏み込み、成果を取りにいける。
  • 強く出すぎると:無理を溜め込み、周囲にも強く当たる。
  • 活かし方:走る期間と休む期間を、先に区切っておく。

正官(せいかん)— 責任・品格

まじめさと責任感で信頼される星。ルールのある場所で力を発揮します。抱え込みすぎず、人に頼るのを覚えると格段に楽になります。

  • 良い出方:責任を引き受け、信頼される。
  • 強く出すぎると:正しさを求めすぎて、自分も他人も窮屈になる。
  • 活かし方:任せられる範囲を決め、人に渡す練習をする。

偏印(へんいん)— 独創・ひらめき

人と違う角度から発想する星。専門性やニッチな分野で強みが出ます。飽きっぽさは「切り替えの早さ」と読み替えて。

  • 良い出方:人と違う角度から発想し、専門性で抜ける。
  • 強く出すぎると:興味が移り、続ける前に次へ行ってしまう。
  • 活かし方:深めるテーマを1つだけ固定する。

印綬(いんじゅ)— 知性・学び

学びと知識が身を助ける星。まわりから守られ、引き上げられる縁があります。インプットを続けている限り運は途切れません。

  • 良い出方:学びを積み、引き上げてくれる縁に恵まれる。
  • 強く出すぎると:準備ばかりが長くなり、始めどきを逃す。
  • 活かし方:学んだことを出す場を、先に決めておく。

どこに出るかで意味が変わる

同じ星でも、どの柱に出ているかで読みかたが変わります。柱の役割(第1章)と掛け合わせてください。

出る場所読みかた
月柱の天干仕事や社会で、表に出る力
年柱の天干外から見た印象、目上との関わりかた
日柱の蔵干いちばん奥の芯。本人の実感に近い
月柱の蔵干仕事ぶりの内側で働いているもの
日柱の天干に星がつかない理由

通変星は日干から見た関係です。日干そのものは基準なので、比べる相手がいません。だから鑑定書の日柱の通変星は「—」になります。データが欠けているのではありません。

表と内側のズレを読む

例題:1987年10月6日生まれ(日干 戊)
  • 月柱の天干「己」→ 劫財(対外的に出る顔)
  • 月柱の蔵干「辛」→ 傷官(仕事ぶりの内側)
  • 日柱の蔵干「癸」→ 正財(いちばん奥の芯)

この人は、外向きには劫財として人を巻き込みながら、その内側では傷官が細部を見ています。そして芯にあるのは正財。人からの印象と自分の実感がずれるとしたら、この差から来ています。

この章のまとめ

  • 通変星は五行の関係5通り × 陰陽2通りで導ける。暗記は不要
  • 偏=陰陽が同じ/正=陰陽が違う。良し悪しではない
  • 日柱の天干に星がつかないのは、日干が基準そのものだから
  • 天干の星=外向きの顔、蔵干の星=内側の反応
  • 同じ星でも、出る柱によって読みかたが変わる

確認問題

0 / 4 問

問1日干が「戊」(土の陽)の人にとって、「壬」(水の陽)は何星?

問2「偏」と「正」の違いは?

問3日柱の通変星が「—」になるのはなぜ?

問4「傷官」という名前の意味は?