第 5 章
蔵干
地支の内側に隠れている干。同じ十二支でも生まれた日で中身が変わります。
この章を読み終えると
- 蔵干が節入りからの日数で決まることを説明できる
- 蔵干表を引いて自分の3つの蔵干を出せる
- 天干と蔵干の役割の違いを言える
前の章で6文字がそろいました。ところが命式表には、まだ「蔵干」という行があります。ここでもう3文字増えます。
地支の中には干が隠れている
蔵干(ぞうかん)とは、地支の中に含まれている天干のことです。「蔵」はしまい込むという意味。地支という箱の中に、天干がしまわれているイメージです。
なぜこんなものがあるのか。十二支はもともと季節の目盛りでした。季節は1日で切り替わるものではなく、前の季節を引きずりながらじわじわ移っていきます。月の前半はまだ前の季節の気が残っている——それを表現するのが蔵干です。
蔵干表 ── 日数で切り替わる
そのため蔵干は、節入りから何日目に生まれたかで決まります。下がこの鑑定で使っている蔵干表です。
| 地支 | 読み | 蔵干(節入りからの日数) |
|---|---|---|
| 子 | ね | 壬(1〜10日目)/癸(11日目以降・本気) |
| 丑 | うし | 癸(1〜9日目)/辛(10〜12日目)/己(13日目以降・本気) |
| 寅 | とら | 戊(1〜7日目)/丙(8〜14日目)/甲(15日目以降・本気) |
| 卯 | う | 甲(1〜10日目)/乙(11日目以降・本気) |
| 辰 | たつ | 乙(1〜9日目)/癸(10〜12日目)/戊(13日目以降・本気) |
| 巳 | み | 戊(1〜5日目)/庚(6〜14日目)/丙(15日目以降・本気) |
| 午 | うま | 丙(1〜10日目)/己(11〜19日目)/丁(20日目以降・本気) |
| 未 | ひつじ | 丁(1〜9日目)/乙(10〜12日目)/己(13日目以降・本気) |
| 申 | さる | 戊(1〜7日目)/壬(8〜14日目)/庚(15日目以降・本気) |
| 酉 | とり | 庚(1〜10日目)/辛(11日目以降・本気) |
| 戌 | いぬ | 辛(1〜9日目)/丁(10〜12日目)/戊(13日目以降・本気) |
| 亥 | い | 戊(1〜7日目)/甲(8〜14日目)/壬(15日目以降・本気) |
どの支も、最後に置かれた干が本気(ほんき/正気とも)です。その支と同じ五行で、月の後半をまるごと受け持ちます。だから月の半ば以降に生まれた人は、たいてい本気になります。
日数の区切りかたも、どの干をいくつ入れるかも、流派によって差があります。上の表はこのサイトが採用しているもので、他所の鑑定では別の干が出ることがあります。他人の鑑定書を見るときは、「この人はどの蔵干表を使っているのか」を意識すると、違いの理由が分かります。
実際に引いてみる
直前の節は「白露」で、そこから数えて29日目の生まれです。この日数を持って、3つの地支それぞれの表を引きます。
- 日柱の地支「子」→ 29日目なので癸
- 月柱の地支「酉」→ 29日目なので辛
- 年柱の地支「卯」→ 29日目なので乙
もしこの人が10日早く生まれていたら、日柱の子から取り出されるのは壬になり、命式の意味が変わります。誕生日が数日ずれるだけで別の字になる——これが蔵干のいちばんの特徴です。
天干と蔵干、どちらが本当なのか
「隠れている」と聞くと、蔵干のほうが本当の姿に思えます。そうではありません。
| 天干(表の字) | 蔵干(内側の字) | |
|---|---|---|
| あらわすもの | 外から見える性質・立ち居ふるまい | 表からは見えにくい反応・動機 |
| 他人から | すぐ分かる | 付き合いが長くならないと見えない |
| 使いかた | 対外的な場面を読む | 本人の実感とのズレを読む |
どちらも本当です。「人からはこう見られるのに、自分ではそう思えない」という食い違いは、この2つの差から読みます。第6章で、天干からと蔵干からそれぞれ星を出すと、この差がはっきり見えるようになります。
この章のまとめ
- 蔵干は地支の中に隠れている天干
- 節入りからの日数で切り替わる。同じ支でも日がずれれば別の字
- 各支の最後の干が本気で、月の後半を受け持つ
- 蔵干表は流派によって違う
- 天干=外から見える性質、蔵干=内側の反応。どちらが本当ということはない
確認問題
0 / 4 問
問1蔵干は何によって決まる?
問2「子」の蔵干について正しいのは?
問3天干と蔵干の役割の違いは?
問4各十二支の最後に置かれた干(本気)の特徴は?