第 9 章

天中殺と空亡

60干支の余りから生まれる、12年に2年の期間。6種類あります。

14分 全12章中 9章目

この章を読み終えると

  • 空亡がなぜ2支余るのかを計算で説明できる
  • 日柱から自分の天中殺を出せる
  • 年と月で意味が違うことを分かっている

ここから時間の話に入ります。天中殺(てんちゅうさつ)は12年に2年めぐってくる期間で、四柱推命の中でもいちばん誤解されている概念です。まず、どこから出てくる数字なのかを計算で確かめます。

なぜ2支余るのか

六十干支は、甲子から順に十干と十二支を1つずつ進めて作ります(第2章)。ここで10個ずつの組に区切ってみてください。十干が一周するのが10個なので、区切りとしては自然です。

ところが十二支は12個あります。10個の組を作ると、十二支のうち2つが必ず使われずに余ります。この余った2支が空亡(くうぼう)です。

10個の組中身余る2支=空亡
甲子〜癸酉甲子・乙丑・丙寅・丁卯・戊辰・己巳・庚午・辛未・壬申・癸酉戌亥
甲戌〜癸未甲戌・乙亥・丙子・丁丑・戊寅・己卯・庚辰・辛巳・壬午・癸未申酉
甲申〜癸巳甲申・乙酉・丙戌・丁亥・戊子・己丑・庚寅・辛卯・壬辰・癸巳午未
甲午〜癸卯甲午・乙未・丙申・丁酉・戊戌・己亥・庚子・辛丑・壬寅・癸卯辰巳
甲辰〜癸丑甲辰・乙巳・丙午・丁未・戊申・己酉・庚戌・辛亥・壬子・癸丑寅卯
甲寅〜癸亥甲寅・乙卯・丙辰・丁巳・戊午・己未・庚申・辛酉・壬戌・癸亥子丑

余りの組み合わせは6通りしかありません。だから天中殺は6種類です。自分がどれになるかは、日柱がどの組に入っているかで決まります。

「空亡」と「天中殺」は同じもの

このサイトでは、空亡=計算上の名称天中殺=その時期の呼び名として使い分けています。四柱推命では空亡、算命学では天中殺と呼ぶことが多いのですが、指しているものは同じです。

例題:1987年10月6日生まれ

日柱は戊子で、六十干支の25番。上の表でこの番号が入っている組を探すと、余っている2支は午未。つまり午未天中殺です。

6種類の天中殺

種類テーマ
戌亥理想を追う天中殺。精神性が高く、現実より先に理想が見える人。
申酉身内に縁の深い天中殺。家族や身近な人との関係が運を左右します。
午未親や目上との縁がテーマの天中殺。若いうちに自立する力を持つ人。
辰巳孤独と創造の天中殺。ひとりの時間が発想を生むタイプ。
寅卯仕事と社会性の天中殺。役割を得ることで安定するタイプ。
子丑努力が実る天中殺。積み上げた分がそのまま返ってくるタイプ。

基本天中殺と年柱空亡

鑑定書には2種類の空亡が並びます。同じ計算を、日柱でやるか年柱でやるかの違いです。

出しかた役割
基本天中殺日柱の干支番号から人生の軸。ふつう「天中殺」と言うときはこちら
年柱空亡年柱の干支番号から補助的な見方。家系や社会との関わりを見るときに使う

判断に迷ったら基本天中殺を優先してください。なお「年柱空亡」という言葉は、流派によっては別の意味で使われることもあるので、他人の鑑定書を見るときは何を指しているか確認するのが安全です。

12年サイクル

天中殺の2年を起点に、運気は12年でひとめぐりします。このサイトでは各年に名前をつけています。

時期内容
1陰徳の時期天中殺1年目。人知れず徳を積む年。結果を求めず、種まきに徹して。
2修行の時期天中殺2年目。学びと鍛錬の年。ここで身につけたものが次の10年を支えます。
3種明けの時期天中殺明け。まいた種が芽を出します。動き出すならここから。
4進化の時期手応えが戻る年。新しいやり方を取り入れるのに向いています。
5決意の時期方向を決める年。ここで選んだ道が数年先まで効いてきます。
6休息の時期一度ペースを落とす年。無理に広げず、体と生活を整えて。
7青春の時期楽しさが運を呼ぶ年。人との出会いが増えます。
8空転の時期力が空回りしやすい年。大きな勝負より現状維持が吉。
9飛躍の時期ここから3年が最盛期。挑戦するならこの年から。
10絶好調の時期追い風が最も強い年。やりたいことを迷わず。
11頂点の時期サイクルの頂点。成果を形にして、次の天中殺に備えて。
12忍耐の時期天中殺前年。ひと呼吸おく年。大きな契約や独立を控えているなら、条件と準備をもう一度確かめておくとよい時期です。
この12段階の名前は、このサイトのラベル

「陰徳の時期」「種明けの時期」といった呼び名は、読みやすさのためにこのサイトで付けたものです。一般的な四柱推命の用語ではありません。他人の鑑定書に同じ言葉が出てくるとは限らないので、そこは区別してください。

年と月を混ぜない

天中殺には年でめぐるもの月でめぐるものがあります。ここが混同されがちです。

  • — 12年に2年。午未天中殺なら、午年と未年がその2年
  • 毎年やってくる。6月ごろと7月ごろごろの2か月

つまり「2026年6月」のように読むのは間違いで、2026年はその年ぜんぶが天中殺、そして毎年6月・7月ごろにも同じ性質の月が来る、という2階建てです。月のほうは暦の1日ではなく、節入りで切り替わります。

「不運の時期」ではない

天中殺は、結果が出るまでに時間がかかる時期とされます。まいた種がすぐ芽を出さないので、手応えがなく感じられる。だから仕込みに向いた期間と読むのが、このサイトの立場です。

ただし、扱いには流派差がある

何を避けるべきか、年だけを見るか月日まで見るか、そもそもどの程度重く見るか——一様ではありません。

「大きな契約や独立は天中殺明けまで待つ」という言い方もよくされますが、これを字義どおり受け取ると、人生の重大な判断を何年も先送りすることになります。占いだけを理由に延期するのではなく、条件・資金・協力者をいつも以上に丁寧に確認する時期、と読むほうが実用的です。

この章のまとめ

  • 空亡は、10個ずつ組にしたときに余る2支。だから6種類
  • 自分の天中殺は日柱の干支番号から決まる
  • 基本天中殺(日柱)が軸、年柱空亡は補助
  • 年でめぐるもの毎年来る月を混同しない
  • 不運ではなく仕込みの時期。ただし扱いには流派差がある

確認問題

0 / 4 問

問1空亡(天中殺)になる2支が生まれる理由は?

問2天中殺は何柱から出すのが基本?

問3天中殺表の「月」の欄が意味するのは?

問4天中殺の2年間の過ごしかたとして、この教科書の立場に近いのは?