第 11 章

他人の鑑定書を読む

知識をつなげて、初見の命式を上から順に読み解く手順をやります。

18分 全12章中 11章目

この章を読み終えると

  • 初見の鑑定書を、決まった順番で読み解ける
  • 矛盾する材料が出たときの優先順位を持てる
  • 言い切ってよいことと、そうでないことを区別できる

最終章です。ここまでで材料はそろいました。あとは読む順番を身につけるだけです。初見の鑑定書を渡されたときに、どこから手をつけるか。

読む順番は6ステップ

  1. 日干を見つける — すべての基準。ここを外すと全部ずれる
  2. 月支を見る — 生まれた季節。守護神と身の強さに効く
  3. 月柱の星を見る — 社会でどう出るか。いちばん現実に効く柱
  4. 五行の数を数える — 偏りと欠け
  5. 天中殺を出す — 日柱の番号から
  6. いまの大運を探す — 年齢から行を特定する

この順番には理由があります。1〜2が土台、3〜4がその人の性質、5〜6が時間。土台を確かめずに性質から読むと、途中で必ず辻褄が合わなくなります。

実際にやってみる

ここまで使ってきた例とは別の人で練習します。1979年3月22日生まれ・女性。以下の命式が出ているとします。

日柱月柱年柱
干支戊子丁卯己未
蔵干
通変星印綬劫財
蔵干通変星正財正官劫財
十二運星沐浴

ステップ1 ── 日干

日柱の上の字は。ここからすべてが出ています。日柱の通変星が「—」なのは、基準そのものだからです(第6章)。

ステップ2 ── 月支と季節

月支は(3月ごろ)。この季節に生まれた戊にとって必要な気を調候用神表で引くと、守護神は丙・甲・癸。三柱の天干にあるかを見ると、天干には出ていません。

ステップ3 ── 月柱の星

月柱の天干は印綬。学びと知識が身を助ける星。まわりから守られ、引き上げられる縁があります。インプットを続けている限り運は途切れません。

その内側(月柱の蔵干)は正官。表と内で星が違うので、人から見た印象と本人の実感にズレがあるタイプだと読めます。芯にあるのは日柱の蔵干から出る正財です。

ステップ4 ── 五行の数

天干と地支の6文字を数えると、木1・火1・土3・金0・水1。「金」が0個です。いちばん多いのは

ここで注意。これは表面の6文字だけの集計で、蔵干も季節の強弱も入っていません。「五行がそろっている」ことと「バランスが取れている」ことは別なので、断定しすぎないようにします。

ステップ5 ── 天中殺

日柱は戊子で25番。10個ずつの組で余る2支を見ると午未、つまり午未天中殺。年柱からも出すと子丑で、日柱とは別の組み合わせです。

ステップ6 ── いまの大運

年柱の天干は己。女性なので順行です。立運は約5歳。47歳のいまは45〜54才の行で、干支は壬申、通変星は偏財、十二運星は

つまりこの10年は「偏財が問われる期間」で、勢いは繊細な感受性。人の気持ちを汲むのが得意。

6ステップをまとめた読み

を軸に、3月ごろに生まれた人。社会に出る顔は印綬で、その内側は正官、芯は正財。五行では金が欠けていて、そこを外から補うのが課題。午未天中殺なので、12年のうち2年は結果より仕込みに回る時期が来る。いまは偏財の大運のさなか。

——ここまでが、暦の計算から言える範囲です。この先「だから転職すべき」といった話をするなら、それは解釈であって計算ではない、と区別してください。

矛盾する材料が出たとき

読んでいると、材料どうしが食い違うことがあります。優先順位を決めておきます。

食い違いどう扱うか
天干の星と蔵干の星が逆の性質矛盾ではない。外向きと内側の差として両方読む
命式は静かなのに大運は勢いのある星2階建てなので別のことを言っている。「もともと×いま」で重ねる
基本天中殺と年柱空亡が別基本天中殺(日柱)を優先
五行がそろっているのに守護神が要る別の見方。数と働きは違う(あっても効いていないことがある)

他人の鑑定書との突き合わせかた

他所で出された鑑定書を見て、自分の計算と合わないとき。まず疑うべきは方式の違いです。確認する順に並べます。

  1. 三柱か四柱か — 時柱があると五行の数も星の数も変わる
  2. 年柱の切り替え — 立春基準か、1月1日基準か(後者は簡易版)
  3. 月柱の切り替え — 節入り基準か、暦月基準か
  4. 蔵干表 — 日数の区切りかたに流派差がある(第5章)
  5. 用神の方式 — 調候か扶抑か(第8章)
  6. 大運の順逆 — 性別を考慮しているか(第10章)
  7. 十二運の配点 — 点を使うか、使うならどの配点か(第7章)

この7点を確認すれば、たいていの食い違いは説明がつきます。「どちらかが間違い」ではなく「どの方式か」で考える癖をつけると、他人の鑑定書がぐっと読みやすくなります。

言い切ってよいこと、よくないこと

事実として言える「日干は◯」「月柱の通変星は◯」「天中殺は◯」——暦の計算から出るもの
解釈として言える「◯の傾向が出やすい」「◯の場面で力が出やすい」——流派差があると添えて
言うべきでない職業・病気・寿命・特定の出来事の断定。人生の重大な判断を占いだけで決めさせること
読めるようになったあとに大事なこと

命式はその人を説明するための道具であって、縛るためのものではありません。「あなたは◯だからこうなる」ではなく、「◯が出やすい配置だから、こう使うと楽になるかも」。この距離感を保てるかどうかが、読める人と読めるだけの人の差になります。

この教科書のまとめ

  • 読む順番は日干 → 月支 → 月柱の星 → 五行 → 天中殺 → 大運
  • 矛盾に見えるものの多くは、見ている層が違うだけ
  • 他人の鑑定書と合わないときは、7つの方式の違いを確認する
  • 暦の計算から出る部分は事実、その先は解釈。境目をはっきりさせる

ここまでお疲れさまでした。あとは数をこなすだけです。自分の鑑定書、家族の鑑定書、有名人の生年月日。3人ぶんも読めば、手が覚えます。

確認問題

0 / 4 問

問1初見の鑑定書を読むとき、いちばん最初に確かめるべきなのは?

問2他人の鑑定書と自分の計算結果が食い違ったとき、まず疑うべきなのは?

問3命式と大運が違うことを示しているとき、どう読む?

問4鑑定書から「言い切ってよいこと」はどれ?